東京水没

 
 

東京では約258万人が、海面下の低地に居住

 
 
東京で起こる可能性がある自然災害として、よく挙がるのが首都直下型地震ですが、最近、問題となっているのが高潮による水害です。
高潮とは、台風などの低気圧によって起こる高波と海面上昇のことですが水害は毎年、襲われるリスクがあり、近年は、地球温暖化による西日本豪雨のような膨大な雨、台風の巨大化に伴う高潮など水害の危険性が増しています。
東京でも、特に水害のリスクが高い地域は東部に位置する江東5区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)であり、この地帯は海面下のマイナスメートル地帯なので、海面下にいる約258万人を守っているのが堤防1枚のみという状態です。
大規模な浸水が起これば人口の9割以上に及ぶ250万人が隣県などに広域避難する必要が出てきます。
 

東京の満潮水位以下の低地の分布

 
 
 
日本は、満潮位の海面より低い土地に多くの人が住み農地や建築物などさまざまな資産が存在し、1.0mの海面上昇が生じると、このような土地の面積は、現在に比べ2.7倍に拡大します。
その地域の人口や資産も約2倍に拡大し、台風等による高潮が発生した場合、さらに多くの人や資産が影響を受けると予想されます。
東京は、世界でも類をみないほど人口や資産が集積した巨大都市であり、加えて23区の東半分は下町低地と呼ばれ、土地が満潮位より低いために昔から災害に弱い面があります。
地球温暖化により海面が上昇し、さらに台風の勢力が増大すると高潮などの災害に対して、さらに弱くなることが予想されています。
 

海面上昇の影響を受ける日本の低地の面積、人口、資産

 
 
地球温暖化により海面が上昇すると、たとえ30cmの上昇でも満潮位以下の低い土地は4割増え、そこに、住む人口は5割も増えます。
これが、1m上昇すれば、さらに多大な面積・人口・資産が危険にさらされますが、堤防などを築いて、これを守ろうとすれば大変な資金がかかることになります。
  

伊勢湾台風を超える高潮なら江東5区は2週間水没する

 
 
伊勢湾台風をしのぐ台風による高潮が東京で起きた場合、最も危ない江東5区に大量の水が流れ込むと、この地域は、江戸川・中川・荒川・新中川・隅田川と川だらけであり避難するにも橋がボトルネックとなって全員が避難できるまでに3日間、水没状態は少なくても2週間続くと予想されています。
また、最近の台風は巨大化の傾向にあり、昨年9月に西日本を襲った台風24号では、伊勢湾台風を凌ぐ高潮が観測され、大阪湾は浸水により甚大な被害を受けたので、伊勢湾台風よりも甚大な被害が起こる可能性はゼロではないということになります。
また、台風による膨大な雨でも同じ状態になる恐れがあり、関東、特に、利根川・荒川などの上流域に西日本豪雨のような500mm超の雨が広域で降った場合、すべて下流の江東5区に集まるので高潮同様に江東5区が水没する可能性はゼロではないということになります。
  

災害対応意識の低い日本人

 
前述の状況を踏まえて江東5区では水害に対する対策を講じており行政が避難場所を用意せずに「とりあえず逃げて」という広域自主避難を呼びかける・広域避難勧告を一斉に出すということを決議し、これは今までの日本では考えられない画期的な決断といえます。
災害が起きた場合、自分の命は自分で守るが基本ですが、都民の場合、これまでの災害対策である堤防を造る、ハザードマップの作成、逃げる場所を教える、避難所を用意するは、全て行政が行い長い間、災害過保護状態にいたので、この当たり前の危機意識が希薄なことが最大の問題になっています。
これでは、とにかく逃げるという考え方には及ばず、これからの、水害に対応できず予想外の甚大な損害が発生する恐れがあります。
 

23区の3分の1が水没

 
東京都が、高潮による想定浸水のワーストケースを発表しましたが、その内容は、東京23区の3分の1が浸水するという深刻なものであり、今夏にでも起こる可能性がありました。
今回の東京都の被害想定は、大正6年台風、昭和24年のキティ台風、伊勢湾台風が想定されており、台風の想定中心気圧は910ヘクトパスカル+高潮+洪水+堤防の決壊が含まれ、頻度は、非常に低いが起きた場合の最大被害想定であり、これ以上の被害想定は考えにくいレベルになっていますが、阪神淡路大震災と東日本大震災は、想定をはるかに超えたレベルだったことを知っている私達は現実に起こったことが想定以上でないことを祈るのみです。
高潮は、元来、埋立地であったり標高が低い場所で起こりやすいので、以下の被害想定エリアは、津波・堤防決壊の水害・地震による液状化など様々な複数の被害が起こり得る場所であると考えた方が良いと思われます。
   

想定浸水エリアは17区

 
想定浸水エリアは、23区中17区(千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・台東区・墨田区・江東区・品川区・目黒区・大田区・北区・荒川区・板橋区・足立区・葛飾区・江戸川区)に及び浸水が想定される区域の面積は、約212平方キロメートルで都区部の3分の1強を占め、そのエリアの昼間人口は、約395万人で、これも都区部の3分の1を占めます。
都区部では、250万人が都区部以外から通勤し110万人が通学しているので、帰宅難民も続出することになり、自宅だけでなく職場も学校も被災範囲が及ぶことになります。
さらに、水は低いところに流れるので、この被害は、特に地下鉄にも被害がおよび想定される最大浸水の深さは約10メートル、最悪、1週間以上は浸水が継続するとされています。
 

地下鉄にとって恐ろしいのは水害

  
都市部で豪雨が発生した場合、懸念されるのが地下インフラ、とりわけ地下鉄や地下街への被害になりますが、
水は、どんな小さな隙間であっても入り込み低い方へと流れていきますので、地下空間は、地震には強いですが水は天敵です。
実際に、2000年以降、河川の氾濫などによる地下鉄への大規模な浸水がいくつも発生しており、その被害は、名古屋・福岡・東京・京都と全国に及んでおり、地上は洪水被害がなくても地下トンネルを経由して流れ込んだ水により想定外の地域に被害が発生することも都市部ではありえます。
 

海面上昇シミュレーションマップ

 
海面上昇1メートル
18
九十九里浜や東京湾付近がうっすらと水色になっており、霞ケ浦付近の川も水位が上昇しているので霞ケ浦の面積が増えそうです。
 
海面上昇5メートル
19
東京湾沿岸はもちろん、川崎市や浦安や足立区などで海面が陸地に大きく進出し消滅しそうです。
 
海面上昇9メートル
20
足立区・江戸川区・葛飾区や千葉の浦安を超えて埼玉の越谷まで水没してしまいます。
「Global Sea Level Rise Map」引用
 
この「Global Sea Level Rise Map」で、“Sea level rise”(海面上昇の数値)を、1m・5m・9mに設定すると上の写真のように、始めは、東京23区の東部で青色の部分が点在し始めます。
その後、徐々に水没エリアは広がり23区東部の低地エリア(荒川・隅田川・中川・江戸川)周辺の多くが水没します。
これが、9mまでいくと東京湾岸の埋立て地・東京東部の低地・埼玉県の低地などがことごとく水没して23区の半分が消滅します。
このように、海面上昇がさらに進行すれば、日本の首都であり経済の中心でもある地域が、一部消滅してしまうという国家レベルの大問題にもなります。
今後、どの程度の早さで海面上昇が進行するかは気候変動の度合いにもよりますが、想定外の事態で慌てないためには、今から国が具体的な対策を練っておく必要があります。
 

東京水没について

 
地球温暖化に伴う気象変化による被害が世界的に広がっている中、日本だけは大丈夫ということにはなりません。
日本を含め先進諸国は、これまで大量の化石燃料を利用して高度で便利な生活を国民に提供してきました。
 
もしも、高潮のタイミングと首都直下地震が重なったら・・・
 
さらに、豪雨が重なったら・・・
 
首都圏は、壊滅的なダメージを受け、被災する人の数は過去に例のないレベルの膨大な数になり、日本という国の機能が完全に停止することを意味します。
東京は、自然災害に対し非常に弱い街なので利便性の追求も良いですが、たった1つしかない命を守ることの方が大切です。
ニューヨークでは洪水の被害を免れるためにビルの最上階に非常用発電機を設置しているケースもあり、災害時には居住者が1週間ほど不便なく生活できるように対策をしています。
このように、企業単位の個別対策のみならず、マンハッタン島では人工島や巨大な防潮壁の設計も始まっています。
この問題は、
東京のように海抜0メートル地帯を有する都市も他人事ではなく、これから東京に移住しようという人々、すでに住んでいる人々は、今後の海面上昇により自分が住もうとする土地が
 
どの程度の水位上昇が考えられるのか?
 
どの程度水没するか?
 
を把握しておく必要があります。自分が住んでいる町は
 
水害に強いのか?
 
弱いのか?
 
弱いのであれば住む場所の高さを3階以上にする、住んでいる場所が川の近くであれば引越しを検討する等の自己防衛の対策を取ることが必要になります。
 
近い将来、最大の防災対策は「東京に住まない」事も想定されます。



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