生産緑地 活用

 
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生産緑地とは

生産緑地とは、農業を継続することを条件に、固定資産税・相続税等の税務上のメリットを受けることのできる農地であり、生産緑地法によって1992年に制定されました。
生産緑地法が初めて制定されたのは1970年代頃ですが、人口の増加により一部の都市の都市化が急速に進み、緑地が宅地へと転用されることが増えていましたが、この結果、住環境の悪化や土地が地盤保持・保水機能を失ったことによる災害などが多発し重大な社会問題となりましたので、緑地の宅地化に歯止めをかけるため1972年に制定されたのが「生産緑地法」です。

生産緑地の分布

 

                                                引用元:ニッセイ アセットマネジメント

日本全国における生産緑地の合計面積は約14,000ha程度になりますが、これは、東京都千代田区の約12倍の面積に相当します。
生産緑地約14,000haの内、東京都に全体の約25%、これに、埼玉県・千葉県・神奈川県も合わせると全体の約57%が首都圏に集中しており、これらに、大阪府と愛知県を合わせると全体の約80%が集中していますが、
もし、これらすべての生産緑地が期限満了により、短期間で、宅地に変わり、そこに一戸建てやアパートが建設されたら、現状でも、右肩上がりに増え続けている空き家問題に拍車がかかり、地価が大暴落することは容易に想像できます。

農地の区分による評価・課税の違い


固定資産税において農地は、
一般農地と市街化区域農地、生産緑地に区分され評価及び課税されます。

【一般農地】
いわゆる農村部の農地を指します。

【市街化区域農地】
すでに市街化されているか概ね10年以内に市街化が図られる地域を指し、将来の宅地化を前提とした宅地並評価がなされます。
特定市街化区域農地の「特定」とは、三大都市圏(首都圏・中部圏・近畿圏)の特定の市を意味し、東京都・愛知県・大阪府とその近郊府県が該当しますが、これらの地域は、すでに市街化が進んで全般的に土地の価格が高いため不均衡を招かないよう農地であっても宅地並評価となります。

生産緑地】
宅地への転用を防止し保全する目的で指定される農地を指しますが、様々な制約を受ける代わりに一般の宅地と比べ非常に安い農地と同様の評価基準とされ、具体的には、生産緑地の指定を受けていない一般市街化区域農地の50~100分の1、特定市街化区域農地の200~300分の1、さらに宅地と比較すると数百分の1程度と大幅に軽減されます。

生産緑地の義務

・生産緑地を農地等として管理しなければならない(生産緑地法第7条)

・生産緑地である旨を掲示しなければならない(生産緑地法第6条)

・生産緑地地区において建築物その他工作物の造成、土地に手を加える行為は原則としてできない。

このような制限により、生産緑地の指定申請をした所有者は、基本的に自らが農業を継続するしかなく、生産緑地に指定されると税制の面で大幅に優遇される一方、多くの制約が課されます。

生産緑地の問題点

現行の生産緑地制度は、様々な問題があり、生産緑地法による農地として管理する義務、様々な行為の制限、指定解除の困難納税猶予による譲渡制限、さかのぼり課税問題など数多くの制約があげられます。
もちろん、税額の減免などのメリットも決して小さくはありませんが、一度、指定を受けてしまうと年を重ねていくうちに維持や指定の解除が難しく、指定から30年経過した後の土地の扱いについての判断も難しく、自ら営農しても十分な収益が得られる農業経営はできないというケースが多く見受けられますので良かれと思い始めた制度でありながら、現在では、農家の権利を束縛しているだけの制度になってしまっています。

都市型農業の厳しさ

 
現存する生産緑地の多くは、1992年の改正生産緑地法により指定されましたが、2022年が30年目で営農義務が外れることになりますので、大量の生産緑地が放出され土地の価格が下落することが懸念されており、他にも、ただでさえ増えている空き家が更に大量に発生することが危惧されています。
また、根本的に生産緑地の存続が危機にさらされている主因は、農業従事者の高齢化と後継者不足が大きいので、国による政策が、どこまで効果があるかは未知数になります。
都市農業における営農者の65歳上の割合は47.1%(内70歳以上31.8%)で後継者が誰もいない農家が35%前後にも及び、1戸あたりの農家所得のうち農業所得は25%にとどまり、65%がアパート経営などの不動産所得によるものであり、特定市に限れば不動産所得が70%を超えますので、都市農業では、農業所得だけで生活することが困難な現実を表しています。
この都市農業の厳しい現状を鑑みると次第に宅地化が進んでいくことは避けられず、国による対策は、遅れているとしか言えません。

地価の暴落はあり得るリスク


税制優遇のない都市部の農地は、生産緑地と比べて、22年間で約57.82%の減少と、かなり大きな減少率となっていますが、生産緑地は、先代から相続税の納税猶予制度で農地を相続している場合は、途中で農業をやめてしまうと膨大な納税猶予額+利子税を支払わなくてはなりませんので「農地から宅地に転用したくてもできない・・・」という人も一定数はいると考えられます。
しかし、
2022年は1992年と比べ時代も大きく変わり、本格的な人口減少時代に突入、
少子高齢化の深刻化、空き家率の増加など社会問題も深刻化していますので、農地から宅地への転用を利用した戸建てや賃貸マンションの増加の影響は以前と比べて大きいと推測できますが、2022年をきっかけに農地から宅地への転用が加速するのは、ほぼ確実なので、それにより、地価が暴落するリスクはゼロではありません。
また、東京都が2016年に実施した調査によると、生産緑地で相続税の納税猶予の適用を受けている世帯は約45%あるようですが、彼らが、猶予を維持するために転用を行わなくても、残りの約55%は、その縛りがないのですから、単純計算で東京都の11区だけでも、約14,000ha×0.25*0.55=約1900ha という東京都千代田区の約1170haよりも、広大な農地が不動産市場に流入する恐れがありますので、地価に対して与えるインパクトは、かなり大きいと思われます。

賃貸住宅の増加

 

                                            引用:住宅改良開発公社

生産緑地を転用しなかった場合、多くの地主は賃貸住宅への転用を考える筈です。
その理由は、
生産緑地の指定が解除された後も引き続き、土地を所有し続ける場合、農地の30〜80倍ほどの固定資産税と都市計画税が掛かってきますが、
賃貸住宅にすれば、土地の固定資産税が6分の1にまで減りますので、相続税対策には、とても有効であり、土地と建物の合計で時価が100だとすれば、賃貸住宅の相続税評価額は半分程度まで節約できます。
しかし、新築の
賃貸物件が増えれば、その分、競争も激しくなり、賃料の値下げ競争が起こる可能性がありますので、築年数が古い物件の大家は、賃料の値下げ競争に負けて淘汰される事態になり、一時期ブームになったサラリーマン大家など資本力の弱い大家の借り入れ金返済不能による大量の不良債権が発生する可能性が非常に高くなりそうです。

空き家の増加

人口が変わらずに住宅の供給量だけが増えれば、供給が増えた分、確実に、空き家が増えています。
また、新築物件が増えることにより、空き家問題に拍車がかかる可能性があります。
農林水産省と国土交通省が都市部の生産緑地を維持するための対策として「硬直的な土地の貸し借りの仕組みを柔軟にして企業やNPOが借りやすくする」といった内容を検討しているそうですが、これが実現して制度化されれば、土地を安い固定資産税のままで貸せるため、土地を保持し続けるメリットが高くなりますので、大量の新築賃貸住宅の大建設時代が来る確率は非常に高そうですが、その反動で大量の築年数が古い賃貸物件が、空き家として出現し、空き家の増加に伴う当該地域の治安の悪化が懸念されます。

生産緑地問題について

生産緑地の2022年問題への考察や予想は、今後も変化していくことが予想されますが傾向や予想が変化することはあっても営農義務が解除されることは間違いないと思われますので、その時に、慌てないように今から生産緑地制度と2022年問題について正しく理解し備えておくことが大切になってきます。
生産緑地の2022年問題対策として転用や売却を検討する人も多いと思いますが、農業を辞めず指定を更新して保持するという選択肢もあり、これだと、貧雑な手続きをする必要もないので、手続きは、非常に簡単にはなりますが、目に見えない鎖(規制)でつながれることになります。
現在の日本の状況から判断すると、都市農業を続けていくメリットが全く見えてこないので、それであれば、売却等をして負担を軽くするという選択肢が有力になります。
実際に、納税猶予額+利子税を支払う必要のない生産緑地の半数以上の所有者は、高い確率で転用し、賃貸物件等を建てることを選択すると思いますが、この選択の場合、建設を頼む業者を間違えると取り返しのつかない状態に陥りますので、今から、その日に備えて準備をしておくべきです。
生産緑地の指定解除が近づいて慌てて行動をした結果、高額な建設費用だけが掛かって、近隣に建った賃貸物件に値段や設備等の競争で負けて、想定する入居者が入らなければ目も当てられません。
当社であれば、営農を継続される場合は、ソーラーシェアリング、賃貸物件を建設するのであれば、アパートの初期費用ゼロ・実質ゼロ円建設を提供できますので、どちらを選択されても、金融機関等をご自身で利用して賃貸住宅を建てたり、営農を継続されるよりは、確実に、リスクは少なくて済みます。
生産緑地の所有者の方たちは、
2022年だけではなく、2022年以降も踏まえた土地活用について考えておく必要があると思います。




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