海洋発電 推進事業

 
スコットランド北部で実験中の波力発電装置「Pelamis」Jumanji Solar(flickr)
                                     写真は、波力発電装置

海洋発電とは


波や潮流など海洋エネルギーを利用する海洋発電は、同じ自然エネルギーである太陽光発電や風力発電よりも、天候などの条件に左右されることが少なく、安定して発電できるとされており、代表的なものは、潮力発電、波力発電、海洋温度差発電、海流発電などがあり、これらの中でも開発が進んでいるのが、潮力発電と波力発電になります。
潮力発電は、潮流そのものを利用する潮流発電と潮の干満差を利用する潮汐(ちょうせき)発電に分けられ、欧米では、数年前から実用化を目指した開発競争が始まっています。

潮流とは

 
潮流とは、太陽、地球などの天体運動から起こる力によって発生する海の流れのことを言いますが、地球の自転に伴って1日2回の干満、また、15日周期の大潮、小潮によって流れが変動しますが、その流れは、海岸の地形や水深などにも影響を受けます。
潮流は、規則正しく起こるため、潮流のスピードと水量によって発電量が予測でき、潮流発電は、タービンを海底に設置するため、景観にも影響を及ぼさないというメリットもあります。世界で発電されている海洋発電は、2014年時点で530MWですが、そのほとんどが潮流発電ですが、それだけ、潮流発電には利点が多く信頼性の高いエネルギー資源であると言えます。

ポテンシャル


イギリスでは、さまざまな潮力発電や波力発電のプロジェクトが進行中ですが、潮力の中でも中心になるのは潮流発電であり、現在、国をあげて推進し、大規模な実証実験施設を設置して、世界を1歩リードしています。
背景には、スコットランド周辺海域が、ヨーロッパ全体がもつ潮力の4分の1、および10分の1の波力を有する海洋エネルギーの潜在能力が極めて高いエリアということがあり、推計では、スコットランドの島々の周辺での潮力および波力による発電量は、年間で3,850万MWhになると示唆されています。
欧州海洋エネルギー協会のロード・マップでは、潮力発電や波力発電を含む海洋エネルギーによる発電量が、EU全体で、2020年には3,600MWに達すると予想をしており、今後、技術開発が進み、投資が活発化した場合、2050年には18万8,000MWに達し、EU電力需要の15%を海洋エネルギーでまかなえる、と考えていますので、海洋発電は、風力発電や太陽光発電と並ぶ、再生可能エネルギー発電の主要な柱に成長する可能性を秘めています。

仕組みは風力発電と同じ


潮流発電は、風力発電と同様に、タービンの回転軸の方向によって水平軸型と垂直軸型に分けられ、
現在は、水平軸型を採用するシステムが主流ですが、これは、海水の流れに対して水平な回転軸に取りつけた羽根(ブレード)により、潮流の運動エネルギーを回転運動に変え発電機を回して発電します。
最も代表的な方式は、プロペラ式であり、多くのプロジェクトで採用されており、 潮力発電の中心的な施設としてあるのが、オークニー諸島のEMEC(European Marine Energy Center)です。
EMECは英国政府、スコットランド自治政府、EUなどが出資する民間研究機関で2003年に設立されましたが、オークニー諸島周辺の海域は、潮の流れが時速14.4kmと速く、毎時5億トンの海水を押し流しており、その潮流の強さは、黒潮と並んで世界最大級と言われており、実験場所としても理想的です。
スコットランド西海岸にあるアイラ海峡でも、強い潮流を利用して潮力発電を行う計画が進んでおり、潮の速さが時速約11kmと、強く安定した潮が流れるこの海底に10基の潮力発電装置「HS1000」を設置して世界初となる潮流発電ファームを構築する予定です。

波力発電

波力発電とは、その名の通り波の力を利用した発電方法であり、タービンを回す動力として波の力を使いますが、形状は、海底に設置するもの、海面に浮かべるものなどさまざまです。
現在、どのタイプにおいても実証試験の段階にありますが、スコットランドでは、先進的でユニークな波力発電の実証実験が行われており、2009年からEMECにおいて実用実験を開始したのが、ユニークな形の波力発電「オイスター」です。
これは、海底10~16mに固定された波力発電機が、波の動きを捉えるフラップによって水圧ピストンを作動させ、陸上に設置された発電プラントに高圧水を送り、タービンを回転させることによって発電しますが、将来的には20基(1基2MW)の「オイスター」が並ぶ波力発電ファームが計画されています。
また、へびのような形をした可動式の波力発電装置「Pelamis」もEMECにおいて実験中であり、これは、4本の円筒形のシリンダが「ヒンジ」というちょうつがいで一直線につながり、海面に浮かびます。
波を受けるとシリンダ同士の角度が変わり、ヒンジが曲がり、これを油圧に変えて発電機を回転させるしくみであり、さまざまな強度の波に耐え、水深50m以上というテストサイトの条件下で年間90%稼働し、100年に1度の大波にも耐えられるというデータが得られていますので、実用化は早いかもしれません。

海洋発電について

日本も、欧州の海洋発電を先導しているイギリス同様に周りを海洋に囲まれた島国です。
つまり、現在、イギリスで進められている海洋発電は、日本でも、導入できる下地は既にある、ということになりますので、エネルギー自給率が、雀の涙もない日本でこそ、地球環境を破壊するリスクが少なく永続的に利用することが可能な海洋発電を推進すべきです。
日本での再生可能エネルギーは、これまで、利権が絡みあう太陽光発電が、引っ張ってきましたが、そろそろ、設置に適した土地が少なくなってきたので、その主役の立場は、小水力発電に奪われることになりそうです。
つまり、これからの日本での再生可能エネルギーと言えば、水がキーワードになりますので、その水が、陸上なのか?海洋なのか?の違いだけになる海洋発電も本腰を入れて事業化の開発を進めるべきであり、莫大な建設費用(利権)がかかる洋上風力発電よりも、海洋発電に優先的に予算と人員を振り分けるべきです。
日本と言う国は、全ての物事に対して動きが遅い国なので、今すぐに議論を始めても、調査・研究の予算を配分するのは何年後になるか分かりませんし、そもそも論として、日本が、海洋発電に着目する日が来るのか?という考えたくもない非常に低レベルのケースもあり得ます。
莫大な費用と人員が必要となる海洋発電は、民間レベルで事業化できる代物ではないので、国がやるしかないですが、日本と言う国の政治家が、海洋発電のメリットに気が付く日がいつになるのか?によって、今後の日本のエネルギー事情が大きく変わると思われます。
気が付けば、まだ、救いはありますが、気が付かない、気が付いても関心がない、必要性を理解できない、などという低次元な結果しかだせない政治家しかいないのであれば、日本と言う国は、自らの力で滅び去ることになるかもしれません。




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