永久凍土の大部分は北半球に存在し陸地の約4分の1を覆っており、通常は何千年も前から凍ったままで
　深さは数メートルから100メートルまでさまざまになります。

■ 大気中のほぼ2倍の炭素
　永久凍土には推定1兆7000億トンもの炭素が閉じ込められており、これが解けると有機物が温められ分
　解され最終的に温室効果ガスのCO2とメタンとして放出されます。
　問題は永久凍土は大気のほぼ2倍の炭素を保持しており、その大部分をメタンとCO2が占めていること
　です。

■ 温暖化の悪循環
　メタンの温室効果はCO2の25倍もあり永久凍土の温室効果ガスが大気中に放出されると地球温暖化が悪
　化して氷が解け、さらに、永久凍土の溶解が進み地球温暖化の悪循環に陥る恐れがあります。
　米マサチューセッツ州ウッズホール研究センターは、2015年に

・気温上昇がが2.0度前後に落ち着いても、2100年までには、永久凍土の30％が失われる。

・温室効果ガスの排出が現在のペースで続けば、永久凍土の最大70％が失われる。

「永久凍土からの（温室効果ガスの）排出により地球温暖化がコントロールできない状況に陥ってしまう可能性がある」と警告しています。