地中熱

 
                          出典:環境省
 

地中熱とは?

 
地中熱は、地熱の一種ですが太陽エネルギーによる熱である点が特長であり、一般に、火山活動由来の熱である地熱とは区別されます。
 
地中熱は、
 
①地下(約5~200m)の比較的浅い部分にある比較的低温の熱である。
 
②安定的に何時でも利用できる自然エネルギーである。
 
③日本中どこでも利用できる。
 
という大きな利点を持っています。 
 

地中熱の特長

  
■ 地中温度
地中熱とは?
 
深さ10mくらいのところの地温は、年平均気温にほぼ等しくなっており、四国や九州の南部で20℃、北海道で10℃、東京や大阪では17℃程度と一年を通して安定しています。

深く掘れば地温は上昇しますが、100m程度の深さでは温度の上昇は2~4℃程度なので、コストに見当たった温度を得るのは難しいと言えます。
 
■ 外気温
地中熱とは?
四季のある日本では、冬と夏に地上と地中との間で10℃から15℃もの温度差が生じていますので、温度が一定である地中は、冬は暖かい、夏は冷たいとなり、地中熱は、この温度差に着目して効率的に熱エネルギーの利用を行っています。

地下の温度は、一年を通してほぼ一定であることを利用し、古くから食品や氷の保存に利用されてきました。 
 

地中熱の種類

 
 
地中熱利用形態
 
熱伝導 
 熱伝導による地中熱の利用は、縄文時代の竪穴式住居にその原型をみることができ、アイヌのチセと呼
 ばれる住居も同様の原理で地中熱を利用しています。

 この地中熱の利用方法は、現代においても住宅・建築物に適用されており、床が直接地面と接する土間
 床工法を基本にして、いくつかのバリエーションがあります。 

空気循環
 空気を地中に通して地盤との間で熱交換するシステムで、住宅・建築物の換気システムの一環として地
 中熱を利用しており、このシステムでは、空気を循環させるパイプを地中に垂
直に埋設したり、あるい
 は空気を通すチューブを水平に埋めたりして熱交換を行いますが、
このシステムで夏は冷風、冬は温風
 
を得ることができます。

水循環 
 地中と地表とをパイプで結ぶ単純な水循環システム、あるいは地下水をパイプに通し循環さ
 せるシステムで、日本では主に融雪に用いられています。
 ポンプによる水の循環が閉じた系で行われるクローズドループのタイプと汲み上げた地下水を熱利用し
 た後、地中に戻すオープンループの2つのタイプがあり、融雪以外の利用の仕方
として地下水を室内の
 パネルに循環させ放射冷房を行うシステムもあります。

ヒートポンプ
 冷媒の蒸発と凝縮で熱を搬送する全く動力を必要としないシステムであり、冬に地中の温度が地表に比
 べて高いと地中での熱交換でヒートパイプ内部の冷媒が蒸発し、軽い気体となっ
た冷媒は地表に向かっ
 て管内を移動します。

 温度の低い地表環境では、冷媒は周辺に熱を与えることにより凝縮し、この凝縮した冷媒は重力により
 管内を下降しますがヒートパイプでの熱の搬送はこの繰り返しで行われ融雪に利
用されています。

ヒートポンプの種類

 

地中熱利用形態
 
地中熱ヒートポンプシステム【クローズドループ】 
 地中から熱を取り出すために地中熱交換器内に流体を循環させ、汲み上げた熱をヒートポンプで必要な
 温度領域の熱に変換するシステムで、このシステムでは、効率的に冷暖房および
給湯を行うことができ
 ます。

 地中熱交換器内を循環させる流体には通常は不凍液または水を用いますが、冷媒を用いる方式も開発が
 行われています。

 地中熱交換器には、垂直型・水平型・傾斜型があり、垂直型のものには掘削孔を利用するボアホール方
 式と杭(基礎杭・採熱専用杭)を利用する杭方式とがあり、通常はUチューブと
呼ばれる採放熱管が挿
 入されますが、杭方式では内部にはった水の循環で熱交換するタイプ
のものもあります。

 日本では水平型はまだ普及が進んでいませんが、米国ではスリンキーと呼ばれるループ状の採放熱管を
 用いる方式が普及しており、メンテナンスが殆ど必要ないため適用範囲が広く、
住宅・建築物・プー
 ル・融雪に使用されています。
 
地中熱ヒートポンプ【オープンループ】
 揚水した地下水の熱を地表にあるヒートポンプで取り出す方式であり、ヒートポンプで熱交換した後の
 地下水の扱い方についてはいくつかの方法があり、同じ帯水層に戻す方法のほか
別の帯水層に注入する
 方法地下に戻さず地表で放流する方法等があります。

 このシステムは、ボアホール1本あたりの採熱量が大きくなることから経済性に優れていますが井戸内
 で目詰まりが生じることがあるためシステムのメンテナンスが必要になります。

 このシステムは、比較的規模の大きな施設に適用されていますが、地下水利用に揚水規制がかかってい
 る地域では、この方法の適用は難しく、この方法は、地下水熱利用ヒートポンプ
システムあるいは地下
 水利用型ヒートポンプシステムと呼ばれることもあります。
 

普及が期待される地中熱

 
 
地中熱利用ヒートポンプは、欧米諸国や中国では国のエネルギー政策で地中熱が取り上げられるなど助成制度がありますが、日本では、平成23年度から経産省の補助金が使えるようになり、これからの普及が期待されています。
 

地中熱普及推進について

 
地中熱は、日本人には非常に身近な地球からの贈り物であり、これは、人だけではなく、動物や植物等にも恩恵を与えてくれるモノであり、原子力発電や火力発電のように、ゴミや二酸化炭素などの副産物が発生しにくい純国産のエネルギーになります。

地中熱は、地上の温度と地下の温度の温度差を利用する方法なので日本全国で利用でき、他の再生可能エネルギーと比べイニシャルコストが非常に安く個人でも導入がしやすいシステムになります。

 ① 利用開始までの時間も非常に速い

 ② 得られる恩恵は多岐にわたる

と良いことづくめの熱源であり豪雪地帯の地方活性化・雇用創出を推進するにあたり様々な用途(暖房・冷房・融雪)に利用できる地中熱は、国が力を入れて普及を推進すべきです。




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