VPP(バーチャルパワープラント)推進事業

 
 
スマートコミュニティのイメージ
                                        出典経済産業省
                                           

「これまで」と「これから」

 
これまでは、遠く離れた場所にある大型の火力発電所や原子力発電所で発電した電気を送電線を使って需要地に送り消費することが一般的でした。
東日本大震災以降、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が大きく進みましたが、これらは、天候や風の強弱によって発電量が左右されるため安定した電力の供給が難しいので、家庭用燃料電池などのコージェネレーション、蓄電池、電気自動車などが、需要家側に導入される分散型のエネルギーリソースの普及が進みました。
最近では、消費地(需要家)の隣接地で電気の融通ができるシステムが出てきており、これにより、大規模発電所(火力・水力・原子力)に依存した従来型のエネルギー供給システムが見直され、需要家側のエネルギーリソースを電力システムに活用する仕組みの構築が進められています。

VPP(バーチャルパワープラント)とは

バーチャルパワープラントとは、需要家側エネルギーリソース、電力系統に直接接続されている発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御(需要家側エネルギーリソースからの逆潮流(※)も含む)することで、発電所と同等の機能を提供するシステムになります。
これは、
火力発電所や原子力発電所のような大規模な発電所に依存せずに、太陽光発電、風力発電、燃料電池、蓄電池などの比較的小さなエネルギー源を、いくつも取りまとめて一つの発電所のように制御する仮想の発電所のことになります。
工場や家庭などが有する分散型のエネルギーリソース一つ一つは小規模ですが、IoTを活用した高度なエネルギーマネジメント技術により、これらをアグリゲーション化し、遠隔・統合制御することで、電力の需給バランス調整に活用することができます。
この仕組みは、あたかも一つの発電所のように機能することから、VPPと呼ばれており、負荷平準化や再生可能エネルギーの供給過剰の吸収、電力不足時の供給などの機能として電力システムで活躍することが期待されています。

※ 逆潮流:自家発電事業者等が、消費電気よりも発電電力が多くなった場合に、余った電力を電力会社線側に戻るように流すこと。
     
また、需要家とエネルギーリソースが同じ場所にない場合は、直接電力を電力会社線側に流すこともある。

ディマンドリスポンス(DR:Demand Response)とは

ディマンドリスポンス(DR)とは、需要家側エネルギーリソースの保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させることで、DRは、需要を減らす(抑制する)下げDR、需要を増やす(創出する)上げDRの二つに区分されます。
また、需要制御の方法によって、①電気料金型(電気料金設定により電力需要を制御する)と、②インセンティブ型(電力会社やアグリゲーター等と需要家が契約を結び、需要家が要請に応じて電力需要の抑制等をする)の二つに区分され、インセンティブ型の下げDRのことを、ネガワット取引と呼んでいます。

※アグリゲータ等:需要家側エネルギーリソースや分散型エネルギーリソースを統合制御し、VPPやDRからエネルギーサービスを
         提供する事業者のことを、リソースアグリゲーター、アグリゲーションコーディネーター(以下、「アグリゲー
         ター等」)といい、両者の役割は以下のとおりですが、両役割を兼ねる事業者も存在します。

・リソースアグリゲーター
 需要家とVPPサービス契約を直接締結してリソース制御を行う事業者

VPPのメリット


メリット1
VPPは、近隣のエネルギー源をつないで一つの発電所のように運営するので、火力発電所や原子力発電所のような大規模な発電所をわざわざ作らなくて済み、遠隔地から需要地に電気を運ぶための送電線を敷く必要もないので、社会的な費用を大幅に減らせる可能性があり電気代が安くなることにもつながります。

メリット2
大型発電所に頼る状況は、万が一、巨大自然災害等が起きた時、全国的に電力の供給がストップしてしまう可能性がありますが、VPPのように近隣の分散したエネルギー源を活用する場合には、リスクが分散され災害対策になります。

メリット3
VPPで、いくつかの住宅がつながっていた場合には、ある住宅で余った電気を別の住宅で利用するということができるようになりますので、VPPの利用範囲が広がれば広がるほど、太陽光発電のような再生可能エネルギーの活躍の幅も広がることになります。
しかも、VPPでつながったネットワーク内でディマンドリスポンスも行うことで、省エネの促進を同時に進めることもできますので、「VPPの普及=地球環境対策」にもつながっていく可能性があります。
 

需要制御のパターン


需要制御のパターンには、上げDRと下げDRが存在し、上げDRと下げDRにより、電気の需要量を増やしたり減らしたりすることを、上げ下げDRといいます。
これらにより、送電線に流れる電気の量を微調整することで、電気の品質(=周波数)を一定に保ちます。

需要制御のパターン(上げDR・下げDR)を表現した画像
                                                 図:需要制御のパターン

「上げDR」DR発動により電気の需要量を増やします。
      例えば、再生可能エネルギーの過剰出力分を需要機器の稼働により消費したり、蓄電池を充
      電することにより吸収したりします。


「下げDR」DR発動により電気の需要量を減らします。
     例えば、電気のピーク需要のタイミングで需要機器の出力を落とし、需要と供給のバランス
     を取ります。

電気の特徴~需要と供給のバランス~


電気は、貯蔵できないという性質を持つため、常に需要と供給をバランスさせなければなりませんが、このバランスが崩れると周波数が変動してしまい、停電などの事故につながる恐れもありますので、需要に合わせて供給をすることや瞬時瞬時の需給の変化に対応することが重要です。
このような需給バランスを保つ役割は、これまで主に大型の発電機の稼働によって担われてきましたが、今後は、分散型エネルギーリソースを用いたVPP・DRを活用することが期待されています。

需要と供給のバランスを模式的に表現した画像
                                                図:需要と供給のバランス

VPPを実現させるIoTとは

太陽光発電や風力発電は、化石燃料不要で二酸化炭素の排出もしない理想的なクリーンエネルギーですが天候まかせで不安定という弱点もあります。
そんな再生可能エネルギーの普及が進んでいくと、不安定という弱点に対して、しっかりと向き合っていく(対処する)必要が出てきますが、この弱点を補う方法になりうるのがVPPになります。
日本国内には、原子力発電に対するアレルギーをもつ国民がまだまだ多い中、VPPの活用が再生可能エネルギー普及にとっての更なる普及拡大の追い風になります。
VPPは、分散している複数のエネルギー源を一つの発電所のように制御するわけですが、そのためには、インターネットで、それぞれのエネルギー源がつながっていることが大前提となります。
最近では、IoTといったモノとモノとがインターネットでつながり、情報交換することにより相互に制御する仕組みもでてきましたので、この、IoTが進化することで、HEMS、BEMS、CEMSといったエネルギーマネジメントシステム(EMS)や、蓄電池の群制御や⾃動制御が可能になり、地域で、エネルギーを有効活用する次世代型の社会システムとしてのスマートコミュニティの実現につながります。

スマートコミュニティのイメージ
                                                   出典:経済産業省

VPP(バーチャルパワープラント)推進について

太陽光発電を始めとする再生可能エネルギーは、固定価格買取制度(FIT制度)により急速に、その数(発電量)を増やしましたが、日本国内の総発電量に占める割合は寂しい状態です。
電気は需要と供給を常に一致させる「同時同量」が必要で、これまで大規模電源の供給量(発電量)を調整することで、需要と供給を一致させてきましたが、東日本大震災での福島第一原子力発電所事故を契機に、電気料金の値上げ、ひっ迫した状況下での需給調整など、従来の集中型電源を中心とした電力システムの様々な課題が顕在化し、それらに加え、経済成長の促進とCO2排出量の抑制の両立も必要で、今までのような大規模発電所のみでは対応が難しくなっています。
今後、固定価格買取制度(FIT制度)の終了に伴い、自家消費電源としての普及は進むと考えられますがこれは、高額な電気の使用量を支払っている事業者にとっては恩恵はありますが、元々の消費量が少ない個人消費者にとってのメリットは余りないモノなので、個人宅への普及拡大が課題になりますが、当社では、本事業を、当社が進める地方活性化事業とエネルギー事業の合同事業として企画しましたので、地方自治体内で推進する太陽光発電、太陽熱発電、蓄電池、オール電化、EV(電気自動車)の初期費用ゼロおよび実質ゼロ円事業により、地方自治体が、活力を取り戻す大きな武器になり得る、スマートコミュニティの実現に向けて前進していきます。




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