ムービング・ハウス

 

ムービング・ハウスとは


ムービング・ハウスとは、工場で製造する木造の一般住宅になりますが、国際規格の海上輸送コンテナ(サイズは、長さ12m×幅2.4mの広さ約30㎡)が基本ユニットになり、サイズが、統一されているので、道路の通行に特別な許可を必要とせず、フェリーなどの海上輸送にも迅速に対応できます。
解体せずに基礎から建物を切り離してクレーンで吊り上げ、家具も、そのままで貨物としてトラックに載せて輸送できる高い移動性を有していますが、流石に、日本では、写真のような大きな建物の移動は難しいと思いますが、もっとコンパクトな建物であれば、日本でも十分に移動は可能になります。
また、電気・上下水道、ガスに接続すれば、すぐに生活をはじめることができ、新しく家を建てるのではなく、既築の建物を移築するので、職人不足や悪天候などの影響を受けるリスクも少なくなります。

社会的備蓄が可能

ムービング・ハウスは、基本ユニットの組み合わせによって、多様な面積や間取りを構成することができるので、平屋の戸建て住宅、長屋住宅、集会施設、2階建の集合住宅や宿泊施設、店舗・事業所など、様々な用途に利用でき、かつ、移動できるので、平常時は、地方自治体の遊休地や企業の遊休地などにPFやPPPを利用して設置し、宿泊研修施設や体験交流施設、ゲストハウス、キャンプ場等のレジャー施設コミュニティの交流施設などとして活用しつつ、災害時には、災害救助法にもとづき応急仮設住宅として相互に有償で貸し出すシステムの構築が可能になります。
これにより、これから高い確率で発生すると予想されている首都直下型地震などの大規模災害の際は、都心からの災害疎開施設として、また、2度と起こって欲しくはないですが、原子力発電所事故の際は、広域避難の受け入れ施設として利用することができます。
つまり、これまでのように、大規模な自然災害が発生した際に、被災者のために応急的に仮設住宅を建設するのではなく、最初から高い住宅性能を備えた一般住宅を、応急仮設住宅として提供することにより、入居者の安全と健康を向上させることが期時でき、かつ、短期間で大量の住居の提供が可能になります。
また、ムービング・ハウスの建設にあたり、地元産の木材や技術、人材を活用した地産地消により、地域の活性化にもつながります。

安全性・居住性

ムービング・ハウスは、名前の通り、もともとは、一般住宅としての使用を想定して開発されているので一般の住宅と同等の耐震性、断熱性・気密性、防音性などの性能を備えており、コンクリート基礎に固定すれば、建築基準法に基づく建築物として確認申請を受けて、恒久的な住宅として使用できます。
約30㎡のユニットを、縦横上下に連結し積み木のように組み合わせることで、地域の実情や家族構成に応じて、柔軟に間取りや広さを構成することができます。

優れた経済性と再利用

ムービング・ハウスは、長期間の使用に耐えられる建物(住宅)ですが、プレハブなどと比較しても、コスト面で劣ることはなく、過去の災害時には、建設型の応急仮設住宅の半額程度で供給されています。
また、その
耐用年数は100年以上になりますので、応急仮設住宅としての役目を終えた後は、そのまま、別の場所に移動して別の用途に使用することができますので、通常時には、簡易宿泊所などに利用し、万が一の自然災害時には、被災地内に移動して復興公営住宅や被災者の自宅の再建としての恒久住宅に活用することもできます。

再生可能エネルギーを活用

当社の建設するムービング・ハウスは、再生可能エネルギー(太陽光発電・太陽熱利用)を基本とし、あわせて、蓄電池やオール電化の設置を推奨します。
ほかにも、有益な再生可能エネルギーである地中熱の利用を行い、ただ単に気密性が良いだけの建物ではなく、消費するエネルギーを自給自足できる建物としての特徴を併せ持たせます。
しかし、移動を前提としたムービング・ハウス(応急仮設住宅用)の場合、これらの、優れた設備の配線や配管が邪魔になるので、移動を前提としたムービング・ハウスには、これらの設備の設置できませんが自身で利用する前提で、地方自治体が、建設してあるムービング・ハウスであれば、再生可能エネルギーの設置は可能になります。

建設型とのコスト比較

これまでの、応急仮設住宅に利用された建設型の一棟当たりの建設費は、本体工事費で約560万円、解体撤去・廃棄物処分費用が、約240万円であり、総額で約800万円の費用が掛かっています。
これに対し、ムービング・ハウスの総額は、総額で640万円程度と言われており、単純に、金額だけで判断すれば、ムービング・ハウスの方が、優れていると言えます。
しかし、建設型の場合、建物の建設工事を中心に地元に雇用が生まれますが、ムービング・ハウスの場合既に完成している建物を搬入するだけなので、これに対しての地元の雇用は生まれません。
地方自治体としては、迅速に必要数を供給できるのであれば、ムービング・ハウスが、最有力候補になるかもしれませんが、供給量が、建設型の補助機能しか担えない場合、入居者の選定作業とバランス取りという作業が追加されるので、コスト面だけでの判断は難しいと思います。

これまでの応急仮設住宅

自然災害時の応急仮設住宅は、迅速かつ大量に供給し、 被災者の生命、健康への被害軽減することが求められますが、現在の主な応急仮設住宅としては、プレハブなどで現地に施工する建設型と既存の公営・民営住宅を借り上げて被災者に提供する借り上げ型(みなし仮設)が採用されていますが、基本的に、建設型は、自然災害が発生してから建物の準備に入るので、被災地での施工に時間を要すことから実際の入居には、相当数の時間が必要となります。
また、借り上げ型(みなし仮設)は、被災時に必要数を確保できない、被災地との距離が離れている、など、がデメリットとして挙げられますが、建設型と比較した場合、費用面では、圧倒的に安価というメリットもありますので、実際には、入居のスピード面で、借り上げ型の方の供給が多い状態です。

近年、相次ぐ大地震や大雨災害などの発生に伴い、いつ、どこで起こるか分からない大規模自然災害に備え、被災者の住戸を確保することは国や地方自治体の責務と言えますが、日本の場合、後手後手感が否めません。

これからの応急仮設住宅

日本では、応急仮設住宅というと、長い間、建設型と借り上げ型の2つの選択肢のみでしたが、建設型は一ヶ所に集約することは可能だが、提供までの時間が長い、借り上げ型は、必要戸数の迅速な確保は容易だが、一ヶ所に集約することが難しい、というメリットとデメリットを持っています。
この現状に対し、現在、移動型応急仮設住宅と言われるムービング・ハウスやトレーラーハウスが、3番目の選択肢として、注目されてきていますが、これは、一ヶ所への集約が容易で、迅速に供給できる、というメリットがありますが、供給量が圧倒的に少ない(避難者の同時入居が困難)という大きなデメリットがあり、建設型や借り上げ型の補助住宅と言う3番目の域(お試し)を出るモノではありません。
しかし、ムービング・ハウスやトレーラー・ハウスが、大量(最低でも数千戸単位)に供給できる体制が整えば、3番目の選択肢ではなく、1番目の選択肢になるポテンシャルは十分に持っていると思いますので、ムービング・ハウスを、迅速かつ大量に提供できる体制づくりが求められます。

戸建て型避難所

大規模な自然災害が発生した場合、日本の場合、避難所として指定されている最寄りの小・中学校の体育館に避難者を詰め込みますが、避難者の中には「不特定多数の人々と一緒に避難所で過ごすこと自体が困難なので、車中泊を余儀なくされる」という事例も発生しているので、応急仮設住宅の前段階である避難所から、戸建て住宅型の避難所の整備が求められます。
しかし、日本の場合、このように、連動している事案であっても「避難所は避難所」「応急仮設住宅は応急仮設住宅」という風に考えるので、これでは、何時まで経っても、自然災害により発生する避難者に寄り添った救済策や保護策は講じられません。
今の日本に求められているのは、1人暮らしの高齢者を始めとする社会的弱者の早期収容が可能な十分な量の住まいの提供と災害関連死の防止、地域特有の事情への柔軟な対応策の立案・推進であり、それは、自然災害時に1番初めに使用される避難所の整備から着手すべきです。

ムービング・ハウスについて

大規模な自然災害が発生した場合、必要となるのが、目先の避難場所である避難所と、ある程度、長期間の住まいとなる応急仮設住宅になりますが、一番効率が良く避難者の負担にならないのは「避難所は避難所」「応急仮設住宅は応急仮設住宅」という形ではなく、避難所=応急仮設住宅であり、最初に避難した避難所に、そのまま、応急仮設住宅として住めれば、避難者の精神衛生上や肉体的な心労も軽減され、かつ、ペットを飼っているから避難所に避難できない飼い主(単身高齢者に多い)なども救済できる、など幅広い社会的弱者全般の救済につながり、地方自治体としても、避難所が応急仮設住宅を兼任していれば効率化された避難者の救済措置を講じることが可能になります。
これにより、いまのように、自然災害発生時に慌てて、応急仮設住宅を建設したり、借り上げ型の住居を探す必要もなくなり、かつ、迅速に、避難者に寄り添った救済措置を講じることができます。
このスキームは、自然災害がいつ発生するか分からない、どの位の建物を用意する必要があるか分からない、そもそも予算がない、などの理由により、既成概念にとらわれた地方自治体では、実現が困難ですが柔軟な考え方ができる地方自治体であれば、十分に実現可能です。
応急仮設住宅として、ムービング・ハウスを活用するスキームは、PFやPPPを利用して各地方自治体が設置し、平常時には、各地方自治体で活用し、災害時には、被災地の地方自治体に有償で貸し出すシステムが想定されていますが、このスキームは不完全であり、そもそも、PFやPPPを利用せずに、当社の初期費用ゼロ・実質ゼロのスキーム(建物版PPA)を採用すれば、当該建物の建設費用を負担することなく、平常時は、宿泊研修施設や体験交流施設、交流施設などとして活用し、災害時には、避難所兼応急仮設住宅として、
被災者の住まいとして提供することが可能であり、そのスピードは、ほかとは比べられないほど、迅速であり、かつ、体育館のように、避難者が一ヶ所に集約されて生じるプライバシーの保護と確保の破壊も解消されます。
また、避難所を管理する地方自治体としても、避難者としても、自然災害が発生する前から自分達の目の前にある建物を活用するので、避難経路の構築や避難場所の把握も容易であり、かつ、これらの建物を建設する際に、地元の会社を優先的に採用することにより、その資金は、地域内で循環することになるので地方自治体が求める資金の地域内循環も実現できます。
このスキームにより、避難所=応急仮設住宅は、十分に実現可能であり、あとは、それを実現するための地方自治体の決断のみが必要になります。
特に、現在のように、新型コロナウイルス感染拡大対策が求められている場合、いままでのように、体育館に避難者を集約した場合の感染リスクは非常に高く、そのリスクを把握したうえで、避難者を、体育館などに集約した場合、その地方自治体は、地域住民に対するCSRを放棄したことになります。
そうなった場合、避難生活が落ち着いた後に起こるのは、避難者や域内住民の域外への流出になりますので、地方自治体の首長の決断と、それを実現するための庁舎内と議会の理解度の向上に努めるべきです。




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