消える命の灯(ともしび)

  
 
 

消える命の灯(ともしび)とは

 
新型コロナウイルスの猛威により、安倍内閣が、首相の暴走で学校の一斉休校を実施したことにより、その犠牲となっている子供たちのことを私たちは知ることがありません。
学校に通っている子供たちの中には、給食だけが唯一の食事だったのに、給食が停止したら食べるモノがないという極度の貧困状態に陥っている子供たちが、全国に大勢います。
声を出せない彼らたちについて、日本では、何の議論や報道もされていません。
現在、
NPO法人などが飢えた子供に食事や学習指導を行う場所を提供するために行政への登録し、補助金などをもらいながら活動していますが、ここに、大きな問題があり、それは、飢えている子供が、そこに居るのに、子どもへ食事を与えるために補助金などを使うことは「税金を一部の子どもに直接使うことはできない」という理由で禁止されていることです。
学校給食の停止は、このような極限状態にある貧困状態の子供たちにとって、まんべんなく栄養をとれる機会だけでなく、誰かと食事をするという機会をも奪ったことになりますが、行政は、子供たちの生きるか死ぬかの危機の前に何一つ具体的な対策をとっていません。

子供の貧困率


子供の貧困問題は、最近、よく耳にするようになりましたが、2000年以降に特に問題が顕著化してききており、この時期は、格差の拡大が問題視され非正規雇用が拡大した頃になり、その時代に20代の若者だった人が結婚して子供を産んだ時代が現在ということになります。
貧困状態の子供は、日本で7人に1人も居るので40人クラスだと約6人が貧困状態となりますが、全国で見た場合、およそ210万人~280万人の子供が貧困状態で暮らしており、こんなにも大勢の子供達が、給食が食事の生命線になっているのが今の日本の現実になります。

貧困の連鎖


子供の貧困問題で必ず取り沙汰されるのが親の責任ですが、格差の拡大が2000年代初頭から始まり、そのときに若者だった世代が、現在の子供たちの親になっていますが、その子供たちが、貧困に陥っているということは貧困の連鎖が世代間で起きていることになり、相当ひどい貧困が、日本には存在しています。
これに対し「貧困だったら子供なんか産むな!生むのは自己責任!」などという主張は、人間の権利(人権)を著しく侵害し、人を人とも思わない主張であり最悪です。
このような発言をする人は、想像力が著しく欠如している人であり、人の痛みを理解できない人であり、自分が同じような境遇になった場合、周りのせいにして自己弁護や自己を正当化する人です。
ようは、何も考えておらず、感情だけで物事を判断する無知な人(可哀想な人)となります。

他人に冷たい日本人


「日本は中国にGDPで追い抜かれたが、まだまだ、豊かな国だよ」と思い込んでいる人は、非常に多いようですが、それは、独りよがりの妄想であり、今の日本は、至る所で悲鳴を上げています。
国民の人間度が成熟して真に豊かな国であれば、今回のような
トイレットペーパー騒動は起きません。
今の日本は、
2000年代初頭に問題視された格差の問題をすべて自己責任と切り捨てて放置し続けた結果、格差の問題は、大人だけの問題ではなく、その子供にまで及んでいます。
現在の日本は、地域共同体の希薄化が進んでおり、昔のような近所づきあいも少なくなり、学校も2000年あたりを境に人との関わりを少なくしようという傾向が強くなっています。
昔の日本では、修学旅行に行けない子供に「なんとか一緒に行けるように」と先生たちが骨を折ることが多かったそうですが、現在では「お金も払ってないのに、一緒に連れて行ってあげてもかわいそうな思いをするだけ」という建前論で問題があれば放置することが当たり前になっており、
それは、いま、大変な思いをしている貧困状態の子供たちには関係がありません。

現実から目を背ける日本人の遁走


「日本は、まだまだ豊かな国だ」
と自身を慰めながら無為無策に時間(とき)を過ごした結果、ついに日本は、逃げられない現実 /凋落と貧困化を突きつけられるまで落ちぶれ、貧困問題は、大人だけの問題ではなく、子供にまで及んでしまっていますが、本来であれば、政治家や有識者たちが必死に原因を究明し舵取りをしなければなりませんが、政治家が自分の保身だけに終始し、この問題を真剣に取り上げないので問題の解決の糸口すら見えてこないというのが現在の日本の現状です。
結果として、多くの日本人が貧困状態にある子供たちを見捨てていると表現しても過言ではなく、日本の衰えという現実を明らかにしたことこそが、真の「新型コロナウイルス」の猛威と言えます。

ひとり親(母子家庭)家庭の現状


母子家庭のただでさえ
少ない(一般家庭の半分ほど)手取りから、家賃や光熱費、携帯代(学校からの連絡でLINEが使われる)や洋服(身綺麗にしておかないと学校でいじめられる)代を支払うとなると削れる部分は食費しかなく「トリプルワークをしている母親も多い」。
児童扶養手当も、子ども1人につき所得に応じて月額最大4万2330円が支給されるシステムですが、2人目は最大1万円、3人目は最大6000円しかプラスされません。

深刻な母子家庭の貧困問題


全国で約120万世帯にのぼる母子家庭の困窮が顕著になってきており、統計によると、母子家庭の平均年収は一般世帯の半分にも満たず、2012年の貧困(世帯年収約122万円未満)率は子供がいる現役世帯(世帯主が18-64歳)全体では15.1%なのに対し、ひとり親世帯では約55%にまで跳ね上がります(ひとり親世帯の約9割が母子家庭)。
昔は、離婚して女ひとりで子供を育てることになっても、家族の支援があったり、安定した雇用があったのでなんとかなりましたが核家族化と雇用の非正規化が進んだことや元夫も非正規雇用で収入が少なく慰謝料・養育費をもらえないというケースが増えたため母子家庭の貧困が深刻化しました。

学校の教材が買えない


母子家庭にとって厳しいのが、子供が学校で使う教材などの費用であり、小学校の入学時に算数セット(2000円)や12色入りのマジックペン(1200円)、鍵盤ハーモニカ(5000円)など、これらの一般家庭であれば、まったく問題にならないような金額でも、皆さんの家庭の所得が、母子家庭の平均値(10万円/月以下)と同じ水準だとしたら、なかなか厳しい金額ではないと思われますが、これが、日本の母子家庭の現実です。

急増する母子心中


近年、生活に行き詰まり母子ともに餓死したり母親が子供を手にかけてしまうという事件が多発していますが
、貧困に苦しむシングルマザーは子供に『おなかいっぱいご飯が食べたい』『なんでうちは貧乏なの?』などと泣かれて精神的に追いつめられ、精神疾患になってしまうケースが多くみられます。
実際に、
千葉県銚子市では、県営住宅の一室で43歳の母親が13歳の娘を絞殺するという痛ましい事件が発生しましたが、背景には、極度の貧困がありました。
母親は、警察の調べに『住むところがないと生きていけなくなる。生活苦から娘を殺して自分も死のうと思った』と供述していますが、このような悲しい事件が、今後、増えてしまう可能性が高まっているのが日本の現実です。
他にも、13年5月には大阪市北区のマンションで28歳の母親と3歳の息子が、餓死しているのが発見されました。
また、14年3月にはJR新大阪駅で、生活に困窮していた母親が1歳の女児を置き去りにするという事件も起きています。
3歳の子を持つ20代後半の女性は「出産から1年が経った頃に県内の福祉事務所に生活保護の相談に行くと『苦しい生活になることが分かっているのに、なんで子供を堕ろさなかったんですか』と言われて以来、子育ては苦しみばかりで、この子がいるから私は貧しいんだと思うようになってしまった。この子もこれから苦しい生活をするぐらいなら、と、そんなことを考えてしまうことがあるんです」と話していますがこの役所の担当者の心無い言葉が、きっかけで、不幸な事件につながってしまっても、当事者は、何の罪悪感も持たないと思います。
何故、日本人は、人の痛みを理解できない冷たい国民になってしまったのでしょう…。

大バカ役人


貧困対策の制度は、ある程度用意されていますが、それを利用するハードルは非常に高く、近年では、
財政難から、生活保護の申請をできるだけ受け付けないようにしようというモラルハザードも甚だしい地方自治体が増えてきており、そのような、最悪な地方自治体は1日も早く消滅して欲しいです。
また、そのような地方自治体からはNPOなどに相談をして、1日も早く脱出すべきです。
福祉事務所の窓口に相談に行っても、なんで離婚したの?もう少し働けるでしょ?などと責められる、など最低限の生活権を保証している憲法を読んだことも無いし、読んでも理解できないバカ担当者が大勢います(シビアになる原因は、不正受給問題もあると思いますが、その不正受給を見抜けずに支給を決めたのは、その担当者または前任者なのですから、自分の組織のミスを社会的弱者に責任転換して苦しめる権利は、その人たちには無いし、何も生産しない役所(行政)の人間が言う言葉ではありません)。
そもそも、もう限界だ、という状態だから相談に来ているのに、最後のセーフティーネットと言われる役所の人間に、そのような冷たい言葉を浴びせられ、見放されたら、途方に暮れるしかなくなり、最悪な結果につながるかもしれない、ということを、その大バカ担当者はイメージできないのでしょうか?
いずれにせよ、このようなバカ担当者が、生命の最後の砦である福祉事務所にいること自体が非常に大きな問題であり、そのような人間を配置した上層部は、その担当者以上のバカです。
地方自治体の財政が厳しくなっているのは、自分たちのせいであり、他の誰のせいでもありません。
自分たちの失敗の責任を、社会的弱者に負わせる地方自治体は、その地方自治体名を公表されて、国民の審判(良し悪し)を仰ぐべきです。

消える命の灯(ともしび)について


安倍政権発足以降、生活保護の支給額が従来より低く見直される傾向にありますが、これ自体が問題であり、政治家も憲法を1から勉強した方が良いと思います。
自分たちの政策の失敗により日本の経済は、ボロボロになってしまったのに、そのしわ寄せを弱い立場の人間に回すというのは政治家の前に人として最悪であり、そのような、人間を国政の場に送り込んでいる国民(地域住民)も同罪です。
そのような人たちでも、何かのきっかけで、自分の娘や親族が同じ状況に陥ったら、少なくとも何かしらの救済の手を差し伸べる筈です。
これからの日本では、年収700万円レベルの人が一番、没落しやすくなりますので、今は大丈夫でも将来のことは誰もわかりません。
母子家庭(シングルマザー)は、社会の中でも特に立場の弱い人たちであり、当人たちも、好き好んでシングルマザーになったわけではありません。
人の数だけ喜びや悩みがありますが、他人の苦しみや辛さを理解できる日本人が、近年、急激に減少しています。
しかし、この立場の弱い
人たちに救いの手を伸ばさない世の中で良いのか?ということを、国民全員で真剣に考えなければならない時期にきており、日本人が大得意な問題の先送りができる程、残された時間の猶予はありません。